はじめに
営業とマーケティングは、本来同じ売上を生み出すための活動であるにもかかわらず多くの企業では別々の論理で動いています。
営業は受注を追い、マーケティングはリード数や認知を追う。その結果として数字は存在するのに売上成長の全体像が誰にも説明できない状態が生まれます。
この分断を「部門間の連携不足」や「コミュニケーションの問題」と捉えるのは正確ではありません。
問題の本質は、営業戦略とマーケティング戦略を統合して設計する役割が不在であることにあります。
本記事では、なぜCOOが営業戦略とマーケティング戦略を統合して設計すべきなのかそしてその際にCOOが持つべき判断軸を整理します。
営業戦略とマーケ戦略を分けて考えると何が起きるか
営業とマーケティングを別々に設計すると、組織では次のような現象が起きます。
- マーケは「数は出している」と主張する
- 営業は「質が悪い」と不満を持つ
- KPIは達成しているのに業績未達の原因が特定できない
この状態では、
リード数、成約率、受注単価といった指標が存在しても、
それらが一本の線としてつながりません。
結果として、
- 施策は増える
- 会議は増える
- しかし売上構造は強くならない
という悪循環に陥ります。
なぜCOOが統合設計を担うべきなのか
営業戦略とマーケ戦略を統合して設計するには、
「現場の効率」ではなく「事業全体の構造」を見る視点が必要です。
- CMOは顧客獲得効率を最大化しようとする
- 営業責任者は受注確率を最大化しようとする
どちらも正しい一方で、全体最適を担う視点ではありません。
COOは、
- 売上がどの構造で生まれているか
- どこで摩擦が生じやすいか
- 拡大時にどこが壊れるか
を前提に、営業とマーケを一本の売上モデルとして設計する立場にあります。
統合設計とは「間を埋める」ことではない
営業とマーケの統合というと、「連携を強める」「情報共有を増やす」といった話に寄りがちです。
しかしCOOがやるべき統合は、関係性の改善ではなく、構造の定義です。
- どの時点までがマーケの責任なのか
- どの状態になったら営業が引き取るのか
- 受注に至らなかった場合、どこに戻すのか
このような責任境界を曖昧にしたままでは、いくら会議を増やしても分断は解消されません。
COOが設計すべき統合ポイント
営業戦略とマーケ戦略を統合する際、COOが必ず設計すべきポイントがあります。
売上創出の起点を定義する
売上が生まれる起点は、
「広告」なのか
「問い合わせ」なのか
「営業接触」なのか。
この起点が曖昧なままでは戦略は統合されません。
売上プロセスを一本の線で描く
リード獲得から受注までを、
部署ごとではなく顧客視点の一本の流れとして整理します。
成果指標を分断させない
マーケKPIと営業KPIが同じ売上構造を前提に設計されているかを確認します。
統合されていない戦略が再現性を壊す理由
営業とマーケが分断されたまま成長すると再現性は急激に失われます。
- マーケ施策を増やすほど管理不能になる
- 営業の判断が属人化する
- 売上は伸びるが利益が残らない
これらはすべて、売上モデルが統合されていないことの副作用です。
COOは、この状態を「まだうまくいっている」と誤認してはいけません。
COOが持つべき判断軸
営業戦略とマーケ戦略を統合して設計する際COOは次の判断軸を持つ必要があります。
- この施策は売上構造のどこを強くしているか
- 人が増えたときも同じ前提で回るか
- 他部署が説明を聞いて理解できるか
これらに答えられない戦略はCOOがきちっと設計した戦略であるとは言えません。
統合された戦略がもたらす変化
営業とマーケが統合された売上モデルを持つと組織には明確な変化が起きます。
- 会議で議論すべき論点が減る
- KPIが判断の道具になる
- COOが現場調整に引きずられなくなる
これは、売上成長が構造として管理されている状態です。
まとめ
営業戦略とマーケティング戦略は、並列に存在するものではありません。
一つの売上モデルの中で統合されるべき構成要素です。
COOがやるべきことは、
- 両者をつなぐことではなく
- 売上構造として定義し直すこと
- その構造が拡大に耐えるかを判断すること
この役割を果たせるのはCOOであるあなたしかいません。

コメント