はじめに
COOは、戦略と現場をつなぐ実行責任者として、組織の中心に立つ役割です。
しかし、多くの人が「オペレーション力」「戦略実行力」という言葉は知っていても、それらをどう磨けばよいかまでは明確に理解できていません。
実際には、これらの能力は天性よりも習得と積み上げによって獲得できるスキル群です。
本記事では、COOが成果を出すために欠かせない2つの力を体系化し、その身につけ方を具体的に解説します。
実務でCOOに近い役割を担う方にも役立つ内容です。
COOに必要な「オペレーション力」とはなにか
オペレーション力とは、組織が毎日安定して成果を出し続けられる仕組みをつくる力です。
オペレーション力の構成要素は以下の通りです。
① プロセスを見える化する力
- 業務フローを図解
- ボトルネックを発見
- 属人化領域を特定
- 手順書の有無を確認
見えないものは改善できないため、最初の一歩は必ず“可視化”です。
② 標準化・効率化する力
- 無駄な工程の削減
- システム化・ツール導入
- 誰がやっても同じ品質になる仕組み
- 二度手間をなくす設計
標準化されていない組織は、成長のスピードが遅くなります。
③ 部門間をつなぐ力
- 営業〜CS〜管理の情報連携
- KPI・目標の共通化
- 課題解決のための調整
COOの役割で最も大きいのは“橋渡し役”です。
④ 数字で判断する力
- KPI分析
- 原価や粗利の構造理解
- フロー改善による数値インパクトの見立て
数字の理解は、オペレーション改善の精度を決める基盤になります。
オペレーション力を磨く方法
オペレーションは抽象的に学ぶより、実務で鍛えるほうが圧倒的に成長が早いです。
① まず現場に入り、業務を理解する
現場を知らないCOOは成果を出せません。
他部署の業務を1日体験するだけでも、理解が大きく深まります。
② 業務フローをすべて書き出す
紙でもNotionでもExcelでもよいので、フローを可視化します。
改善すべきポイントが自然に見えてきます。
③ 1つのプロセスを“仕組み化”する経験を積む
- 問い合わせ対応
- 契約処理
- オンボーディング
など小さな領域でもよいので、
「Before → After」を作る経験がそのままCOOスキルに直結します。
④ 部門間の会議体をつくる
連携は“仕組み”にしないと続きません。
週次10分のショートミーティングでも十分効果があります。
⑤ 小さなKPI改善を積み重ねる
最初から大改革は不要。
- リード一次対応時間
- 案件登録漏れ
- 契約処理のタイムラグ
など、5%改善を積み重ねることで大きな成果につながります。
COOに必要な「戦略実行力」とはなにか
戦略実行力とは、経営の意図を理解し、それを現場ができる状態に変換し、やり切る力です。
その構成要素は次の通りです。
① 戦略を構造化する力
- なぜ今この戦略なのか
- どの指標に関係するのか
- どの部署が影響を受けるのか
論点の整理ができるCOOは、意思決定のスピードが圧倒的に速いです。
② 現場レベルに落とし込む力
- 施策をタスクに分解する
- KPI・期限を設定する
- 担当者の役割を明確にする
誰が何をいつまでにやるかが曖昧だと戦略は動きません。
③ 進捗を管理し、改善できる力
- 週次・月次のレビュー
- KPIの追跡
- 遅延要因の特定
- 解決策の提示と巻き取り
戦略は立てただけでは価値にならず、進捗管理こそが実行のエンジンです。
④ 抵抗を乗り越えるコミュニケーション力
変化には必ず抵抗があります。
COOは納得感を作り、関係者を巻き込みながら進める必要があります。
戦略実行力を磨く方法
① CEOの意思決定プロセスを深く理解する
戦略実行の第一歩は、“なぜその結論に至ったか”を理解することです。
COOはCEOの頭の中を翻訳する役割なので、背景理解は必須です。
② 施策を「分解→統合」する訓練を繰り返す
一つひとつをタスクに分けすぎず、全体の整合性を保ちながら組み立てます。
③ 自分が旗振り役となるプロジェクトを持つ
経験が最も成長につながる領域です。特に部門横断案件はCOOとしての実力が試される場になります。
④ 期限とKPIを徹底する
優れたCOOほど、
- 期限
- 担当
- 成果指標
の3つを明確にします。
⑤ 改善サイクルを高速で回す
実行力はスピードが命。
完璧な計画より、素早く改善して軌道修正するほうが成果が出ます。
まとめ
COOに必要な「オペレーション力」と「戦略実行力」は、実務で磨かれるスキルです。
プロセスを見える化し、改善し、部門をつなぎ、戦略を現場に落とし込み、やり切る力。
これらを積み重ねることで企業の“実行力”が生まれ、COOとしての価値は大きく高まります。

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