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競争戦略はどう作る?COO視点で整理する事業戦略の基本フレーム

目次

はじめに

事業戦略という言葉は、多くの会社で当たり前のように使われています。
しかし実務の現場を見ていると、本当に「戦略」と呼べるものが存在している会社は意外と多くありません
スローガンや方針はあるものの、どこで、誰と、どう戦っているのかが曖昧なまま事業が進んでいるケースは非常に多いです。
COOにとって事業戦略とは、抽象的なビジョンではなく、日々のオペレーションと人の動きに直結する設計図です。
本記事では、COO視点で競争戦略をどう整理し、どう実務に落とし込むべきかを構造的に解説します。


そもそも競争戦略とは何か

競争戦略とは、自社が市場の中で「どのポジションを取り、どのルールで勝ちにいくか」を定義するものです。
単なる目標や理想論ではなく、「誰と競い、誰とは競わないのか」まで含めて決め切るのが戦略の役割です。

実務でありがちなのは、「うちは品質が高い」「顧客満足度を重視する」といった価値観が戦略だと勘違いされているケースです。
しかしそれは戦略ではなく姿勢に過ぎません。
COOにとって重要なのは、その姿勢が 価格・営業方法・プロダクト設計・人員配置 にどう反映されているかです。


なぜ戦略があっても会社は迷走するのか

戦略が存在しているにもかかわらず、現場が迷走する会社には明確な共通点があります。

  • 戦略がスローガン止まりになっている
  • 現場のKPIと戦略がつながっていない
  • 複数の戦略を同時に追っている
  • 「誰と戦うか」が定義されていない
  • 戦略が組織設計に反映されていない

まず、戦略がスローガン止まりになっているケースです。
「顧客第一」「高付加価値」「業界No.1」といった言葉だけが並び、具体的にどの市場でどの顧客に何をどう売るのかが曖昧な状態です。この状態では、現場は結局「目の前の数字」しか追えなくなります。

次に、KPIと戦略がつながっていないケースです。
たとえば高付加価値戦略を掲げているのに、KPIは件数重視になっていると、現場は自然と安売りや薄利多売に引きずられます。
COOはこのような戦略とKPIの不一致を最初に疑う必要があります。


COO視点で整理する競争戦略の基本フレーム

COOが事業戦略を整理するとき、最低限このフレームで分解できていないと、実務で使える戦略にはなりません。

  • 誰の課題を解くのか
  • どの市場で戦うのか
  • 何で勝つのか
  • 何を捨てるのか
  • どうやって再現するのか

まず「誰の課題を解くのか」です。
BtoBなのかBtoCなのか、エンタープライズなのか中小企業なのか、個人なのか法人なのか。
この定義が曖昧なままでは、営業の動きもプロダクトの改善方向もバラバラになります。

次に「どの市場で戦うのか」です。
市場規模、成長率、競合密度、参入障壁を整理し、自社が戦う場所を決め切る必要があります。
ここを広く取りすぎると、戦力が分散し、結局どこでも勝てない状態に陥ります。

「何で勝つのか」は、最も誤解されやすいポイントです。
価格なのか、品質なのか、スピードなのか、サポートなのか。
すべてで勝とうとする戦略は、実務ではすべてで負ける戦略になります。

「何を捨てるのか」も同じくらい重要です。
すべての顧客を取りに行かない、すべての要望に応えない、すべての機能を載せない。
捨てるものを明確にしない限り、戦略は必ず曖昧になります。

最後に「どうやって再現するのか」です。
戦略とは一度勝てることではなく、勝ち続けられる構造を作ることです。
属人化した勝ち方は、COO視点では戦略とは呼びません。


競争戦略とオペレーションはセットで設計する

戦略とオペレーションは、実務では常にセットで設計されるべきものです。
戦略だけが先に走り、オペレーションが追いつかない状態は、現場崩壊の典型パターンです。

たとえばスピードで勝つ戦略を掲げているのに、稟議プロセスが複雑で意思決定に時間がかかる組織では、その戦略は実行不可能です。
逆に、高付加価値で丁寧に顧客と向き合う戦略を掲げているのに、営業に件数ノルマだけを課している場合も同様です。
COOは、戦略がオペレーションと本当に噛み合っているかを常に検証し続ける役割を担います。


競争戦略と組織設計は切り離せない

競争戦略は、組織設計と切り離して考えることはできません。
どんな戦略を採るかによって、必要な人材のタイプやマネジメント構造は大きく変わります。

  • スケール戦略なら再現性の高いオペレーター型組織
  • 高付加価値戦略なら専門性の高いプロフェッショナル型組織
  • スピード戦略なら意思決定レイヤーの少ないフラット型組織

スケール戦略では、教育と仕組みが整っていないと品質はすぐに崩れます。
高付加価値戦略では、属人性をどうマネジメントするかが最大の課題になります。
スピード戦略では、誰がどこまで決めていいのかという権限設計が勝敗を分けます。

COOは、戦略を決めると同時に「それを実行できる組織になっているか」を必ずセットで点検しなければなりません。


競争戦略は一度決めたら終わりではない

競争戦略は、一度決めたら数年固定するものだと思われがちですが、実務ではそう単純ではありません。
市場環境、競合の動き、技術の進化、顧客ニーズの変化によって、戦略の前提条件は常に揺らぎ続けます。

COOに求められるのは、戦略を頻繁に変えることではなく、
「どの前提が崩れたのか」を冷静に見極めながら、必要な部分だけを修正し続ける力です。
戦略を守る力と、戦略を疑う力の両方を同時に持つことが、COOには求められます。


競争戦略はCOOの現場マネジメントそのものである

競争戦略は、経営会議室の中だけで完結するものではありません。
現場の営業、製品開発、カスタマーサポート、管理部門のすべての行動が、戦略によって方向づけられます。

戦略が曖昧な会社では、

  • 営業は件数を追い
  • プロダクトは要望に振り回され
  • CSは炎上対応に追われ
  • 管理は後追いで帳尻を合わせる
    という「場当たり経営」になります。

その状態を止め、会社を一つの方向に揃える軸を作るのが、COOにとっての競争戦略です。


まとめ

競争戦略とは、どの市場で、誰に、何で、どう勝つかを決め切るための意思決定の集合体です。
スローガンではなく、オペレーション・組織・KPIにまで落ちて初めて、戦略は実務で機能します。
COOにとって競争戦略とは、経営の思想ではなく、現場を動かすための設計そのものです。
この戦略をどこまで現場に翻訳し切れるかが、COOの実力をそのまま表すと言えます。

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