はじめに
売上が伸びているにもかかわらず、COOが強い不安を感じるケースがあります。
数字は悪くない。受注も増えている。それでも「この成長は続くのか」と確信が持てない。
この感覚はCOOとして健全です。
なぜなら、売上成長には
「偶然の成長」と「再現性のある成長」があり、COOが責任を持つべきなのは後者だからです。
再現性のない売上成長は、組織を拡大させた瞬間に破綻します。
本記事では、COOが営業・マーケティング領域において
再現性のある売上成長モデルとは何か
そして
それをどう設計し、どう判断すべきか
を構造的に整理します。
再現性のある売上成長とは何か
再現性のある売上成長とは、人やタイミングが変わっても同じ結果が期待できる状態を指します。
具体的には、
- トップ営業がいなくても売上が立つ
- マーケ施策を追加しても全体が壊れない
- 組織を拡大しても利益構造が崩れない
こうした状態が、再現性のある成長です。
逆に、
- 特定の人物に依存している
- 一時的な市場環境に支えられている
- 施策を止めると即座に売上が落ちる
このような成長はCOO視点では「未完成」と判断すべきです。
COOが見るべきは「成長率」ではなく「成長の理由」
売上成長を評価する際、多くの組織では
前年比成長率や月次成長率といった数字が重視されます。
しかしCOOが最初に問うべきなのは、「なぜこの成長が起きているのか」です。
- 顧客構造が広がったのか
- 単価が上がったのか
- 受注プロセスが改善されたのか
この理由を分解できない成長は再現性を持ちません。
COOの仕事は、成長の理由を構造として説明できる状態を作ることです。
再現性を壊す3つの典型パターン
再現性のない売上成長には、よくあるパターンがあります。
属人依存型の成長
トップ営業や特定のキーマンに依存した売上拡大です。
短期的には最も伸びやすい一方、組織拡大と同時に限界を迎えます。
施策積み上げ型の成長
広告、キャンペーン、値引きなどを重ねて数字を作るパターンです。
施策が止まると売上も止まり管理コストだけが膨らみます。
外部環境依存型の成長
市場拡大や競合不在といった外部要因に支えられた成長です。
環境が変わった瞬間にモデルは機能しなくなります。
COOは、これらの成長を「成果」と誤認してはいけません。
再現性のある売上成長モデルの3要素
再現性のある売上成長モデルには、共通する要素があります。
1. 顧客定義が固定されている
誰に売っているのかが明確で売上が増えても顧客像がブレません。
2. 売上プロセスが分解できる
受注までの流れが言語化されどこを改善すれば伸びるかが分かっています。
3. 拡大時の制約が見えている
人、時間、コストの制約を前提にどこで構造を変えるべきかが想定されています。
この3点が揃って初めてCOOは「この成長は続く」と判断できます。
COOが設計すべき「再現性チェック」の視点
再現性を判断するために、COOは次の問いを自分に投げるべきです。
- 人を入れ替えても同じ成果が出るか
- 売上が2倍になったとき、どこが壊れるか
- このモデルは説明可能か、共有可能か
これらに即答できない場合売上成長はまだ構造になっていません。
再現性を高めるためにCOOがやるべきこと
再現性は、現場の努力だけでは生まれません。
COOが意図的に設計する必要があります。
- 売上プロセスを分解し、言語化する
- 属人判断を構造判断に置き換える
- 施策ではなく前提を管理する
ここで重要なのは、COOが現場のやり方を細かく指示しないことです。
再現性とは、管理ではなく構造から生まれます。
再現性のある成長モデルを持つと何が変わるか
再現性のある売上成長モデルが確立されるとCOOの仕事は大きく変わります。
- 数字を見て判断できる
- 現場に過度に入らなくてよくなる
- 次の成長に備えた設計に時間を使える
これは、COOが本来果たすべき役割です。
まとめ
COOが責任を持つべきなのは「売上を伸ばすこと」のみではありません。
売上が伸び続ける構造を作ることです。
- 成長の理由を説明できるか
- 人や施策が変わっても成立するか
- 拡大時の限界が見えているか
これらを満たして初めて売上成長は再現性を持ったモデルになります。

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